特集 薬剤性消化器疾患の診療
3 .薬剤性消化器疾患の治療(3)肝臓
長岡 克弥
1
,
德永 尭之
1
,
田中 基彦
1
1熊本大学病院消化器内科
キーワード:
中毒性肝障害
,
特異体質性肝障害
,
アレルギー性肝障害
,
CTCAE v5.0
Keyword:
中毒性肝障害
,
特異体質性肝障害
,
アレルギー性肝障害
,
CTCAE v5.0
pp.733-740
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001201
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薬物性肝障害はその作用機序から「中毒性」と「特異体質性」に分類される.前者は発症が予測できるが,後者の発症予測は難しい.診断には「DDW‒J 2004 薬物性肝障害ワークショップの診断基準」が広く用いられている.原因薬物は抗腫瘍薬が多く,その他抗生物質や解熱鎮痛薬などがある.治療の基本は原因薬物の中止であるが,中毒性肝障害では,危険度/有益性のバランスの観点から,CTCAE v5.0 Grade 1 症例では肝障害の程度を見ながら原因薬剤を減量しつつ治療を継続する場合もある.特異体質性,とくにアレルギー性肝障害の場合,被疑薬の再投与は原則的に行われない.
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