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特集 薬物性肝障害の最新トピック
薬物性肝障害発症に関連するバイオマーカー
Biomarkers associated with drug induced-liver injury
中村 亮介
1
,
荒川 憲昭
1
,
斎藤 嘉朗
1
Ryosuke NAKAMURA
1
,
Noriaki ARAKAWA
1
,
Yoshiro SAITO
1
1国立医薬品食品衛生研究所医薬安全科学部
キーワード:
薬物性肝障害(DILI)
,
バイオマーカー
,
ゲノム
,
タンパク質
Keyword:
薬物性肝障害(DILI)
,
バイオマーカー
,
ゲノム
,
タンパク質
pp.1286-1291
発行日 2022年3月26日
Published Date 2022/3/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280131286
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薬物性肝障害(DILI)はまれであるが重篤であり,転帰として肝移植や死亡例が認められること,医薬品の開発段階での中止や市場からの撤退の主要な原因のひとつであることから,医薬品開発や臨床現場において,早期診断や発症予防のための手段が求められている.バイオマーカーはその手段のひとつとして注目されている.近年,ゲノム解析の進展により,ヒト白血球抗原(HLA)の特定のタイプや薬物動態関連遺伝子などの多型がリスク因子として薬剤別に同定されており,一部は添付文書にも反映されはじめている.また,従来のALTやASTなどのバイオマーカーに加え,日米欧のコンソーシアムなどによる新しい液性バイオマーカーの開発・評価も行われており,一部は従来のバイオマーカーの欠点を補う特性を有している.本稿では,DILIのゲノムおよび液性バイオマーカー研究の最近の進展に関して,論文報告を中心に紹介する.
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