症例検討 薬物の拮抗における注意点
薬物拮抗の分類と機序
中木 敏夫
1
Toshio NAKAKI
1
1帝京大学医学部 薬理学講座
pp.450-453
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100311
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広義の拮抗とは,ある薬物の作用を別の薬物が弱める場合を指す。一方,狭義の拮抗とは,受容体拮抗薬の拮抗を表すと考えてよいが,拮抗を受容体拮抗の意味で用いる場合には,混乱を避けるために受容体拮抗と表現したほうがよい。今回のテーマである拮抗は広義の拮抗を指すと理解していただきたい。
さて,広義の拮抗の種類を考えてみると,①生理学的(機能的)拮抗,②受容体拮抗,③化学的(不活性化)拮抗,および④薬物動態的拮抗がある。本稿ではこれらの拮抗について例を挙げ,その特徴を解説する。また,それぞれの薬物療法上の意義についても簡単に触れる。
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