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特集 薬物性肝障害の最新トピック
はじめに
Introduction
滝川 一
1
Hajime TAKIKAWA
1
1帝京大学医療技術学部長,同医学部名誉教授
pp.1279-1279
発行日 2022年3月26日
Published Date 2022/3/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280131279
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- Abstract 文献概要
薬物性肝障害(drug-induced liver injury:DILI)の多くは予測不能であり,肝細胞障害型では劇症化して死に至ったり,肝移植になる場合もあるが,その発生機序もほとんどが不明のままである.近年,肝障害のタイプ別では胆汁うっ滞型が減少し,肝細胞障害型が増加している.また起因薬にも変化がみられ,抗悪性腫瘍治療薬の頻度が増加している.これを受けて,筆者も参加し計5回の会議が開催されたCIOMS(Council for International Organizations of Medical Science)のWorking Groupが作成し,2020年6月に発刊されたDILIの提言でも,発症機序の分類を従来の直接型(direct,intrinsic)と特異体質(idiosyncratic)の中間に間接型(indirect)を新たに加えることを提唱している.このカテゴリーの特徴として,用量依存性は通常なく,発症までの期間や予測可能であるかは直接型と特異体質によるものの中間とし,免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)やprotein kinase inhibitorやモノクローナル抗体などを起因薬に含めている(https://cioms.ch/wp-content/uploads/2020/06/CIOMS_DILI_Web_16Jun2020.pdf).
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