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特集 薬物性肝障害の最新トピック
薬物性肝障害の起因薬の変遷
The change of the causal drugs for drug-induced liver injury
相磯 光彦
1
,
滝川 一
2
Mitsuhiko AISO
1
,
Hajime TAKIKAWA
2
1帝京大学医学部内科学講座(消化器内科)
2同医療技術学部学部長
キーワード:
薬物性肝障害
,
起因薬
,
健康食品
,
抗悪性腫瘍薬
Keyword:
薬物性肝障害
,
起因薬
,
健康食品
,
抗悪性腫瘍薬
pp.1292-1298
発行日 2022年3月26日
Published Date 2022/3/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280131292
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近年,医薬品の増加や高齢化,多剤服用患者の増加などに伴い,薬物による健康障害も増加している.薬物性肝障害はすべての薬物で生じる可能性があり,漢方薬や一般市販薬(OTC薬),健康食品・サプリメントなどでも起こることが知られている.起因薬としては,以前より抗菌薬,解熱・鎮痛薬によるものが多くみられたが,2000年以降は美容・健康ブームにより健康食品やサプリメントを常用する人が増加しており,それに伴い健康食品による薬物性肝障害の報告例も増えている.また,最近は癌化学療法の進歩に伴い抗悪性腫瘍薬の使用頻度も増加しており,それに伴う肝障害も増加している.今後も各種医薬品の開発や医療の高度化,高齢化社会のなかで薬物性肝障害は増加していくことが予想されるが,その起因薬の頻度も時代により変化していくため,定期的に全国集計を行い,それを分析し,対策を立てていく必要があると考える.
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