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第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中治療の進歩
HALが切り拓く脳卒中リハビリテーションの進歩
HAL opens the way for innovative advances in stroke rehabilitation
中島 孝
1
Takashi NAKAJIMA
1
1国立病院機構新潟病院院長,こどもとおとなのための医療センター
キーワード:
脳卒中
,
リハビリテーション
,
HAL
,
ロボット
,
サイバニクス
Keyword:
脳卒中
,
リハビリテーション
,
HAL
,
ロボット
,
サイバニクス
pp.1105-1113
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280101105
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脳卒中による機能障害は,脳の機能局在性をもとに傷害部位,程度とそれらの複合的なメカニズムにより起こる1).これらの機能障害の第1の特徴は,側性化された高次脳機能の障害(失語,空間失認など)を除くと,人の大脳半球と効果器は主に対側に交叉接続されているため,四肢において片側性障害になることである.第2の特徴は片麻痺であっても,歩行機能回復が上肢機能回復よりはるかに上回ることである.これは,人においても証明されている腰髄歩行中枢(lumbar locomotor center),または脊髄中枢パターン発生器(spinal central pattern generator)の存在によると考えられる.現状は,脳卒中後の歩行運動パターンは誘発できても,患側下肢の随意性/支持性の低下,伸張反射の変化,感覚障害のなかで,誤りの多いパターンとなるため,その誤りを自己反復学習し強化してしまう問題点がある.上肢の場合は意図した運動現象を誘発する方法自体がきわめて乏しいという大きな問題がある.これらの特徴を踏まえて,脳卒中後の機能回復(recovery of function)を促進する手段を工夫する必要がある.本稿では,主に歩行機能障害について解説する.
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