Japanese
English
第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中治療の進歩
脳梗塞再生医療の進歩
Hematopoietic stem cell therapy for chronic stroke
小川 優子
1
,
田口 明彦
1
Yuko OGAWA
1
,
Akihiko TAGUCHI
1
1神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター 脳循環代謝研究部
キーワード:
慢性期脳梗塞
,
細胞治療
,
造血幹細胞
,
血管内皮細胞
,
エネルギー代謝
Keyword:
慢性期脳梗塞
,
細胞治療
,
造血幹細胞
,
血管内皮細胞
,
エネルギー代謝
pp.1099-1103
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280101099
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わが国の要介護または要支援の認定者数は,2001年には298万人を示したのに対し,2013年には584万人と,人口の高齢化に従い認定者数は依然として増加傾向を示している.要介護または要支援認定の原因疾患として脳卒中が占める割合は最も高く,また脳卒中の約75%を占める脳梗塞は後遺症が重く,患者の生活の質(QOL)が非常に低下することが特徴である.しかし,介護や支援が最も必要とされる慢性期の脳梗塞に対する標準治療はいまだ確立されていない.このようななか,脳梗塞モデルでの非臨床試験,およびこれまで報告されている各種の脳梗塞患者における臨床試験より,造血幹細胞移植が慢性期でも適切なトレーニングを併用することにより神経機能を改善することが判明した.本治療法が確立された場合,医療経済にとってのメリットはきわめて高い.また医療経済面のみならず,患者のQOL向上や早期社会復帰を実現し,労働能力の回復といった社会的側面にも福音を与えるもので,社会的意義は非常に大きい.
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