Japanese
English
第1土曜特集 発展する脳卒中診療の最前線
脳卒中治療の進歩
脳塞栓症予防の心臓手術
-――卵円孔開存閉鎖術,左心耳閉鎖術
Cardiovascular intervention for prevention of cardiogenic cerebral embolism
――percutaneous transcatheter patent foramen ovale closure and left atrial appendage closure
岩間 亨
1
Toru IWAMA
1
1岐阜大学大学院医学系研究科脳神経外科学分野
キーワード:
左心耳閉鎖術
,
心原性脳塞栓
,
潜因性脳梗塞
,
非弁膜症性心房細動(NVAF)
,
卵円孔開存(PFO)閉鎖術
Keyword:
左心耳閉鎖術
,
心原性脳塞栓
,
潜因性脳梗塞
,
非弁膜症性心房細動(NVAF)
,
卵円孔開存(PFO)閉鎖術
pp.1093-1098
発行日 2022年3月5日
Published Date 2022/3/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280101093
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
2019年に脳塞栓症予防に有効な心臓手術用の2つのデバイスがわが国で薬事承認された.ひとつは卵円孔開存(PFO)閉鎖術用のデバイスであるAMPLATZERTM PFO Occluderで,PFOの関与がありうる潜因性脳梗塞を対象に,アスピリンをはじめとする抗血小板療法と比較して,脳梗塞の再発予防における経皮的PFO閉鎖術の有効性と安全性が3つの臨床研究によって明らかとなり承認された.もうひとつは左心耳閉鎖デバイスWATCHMANTMで,CHADS2スコアまたはCHA2DS2-VAScスコアから,脳梗塞高リスクで長期的な抗凝固療法が必要である非弁膜症性心房細動(NVAF)患者でありながら,HAS-BLEDスコア3以上など出血のリスクが高く,抗凝固療法の継続が危惧される場合の代替としての左心耳閉鎖に使用される.ワルファリンを超える塞栓症予防効果は確認されていないが,出血合併症の低減が期待できる.いずれの治療も脳卒中医と循環器内科医,カテーテル手技担当医の綿密な連携がきわめて重要である.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.