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特集 卵円孔開存の問題と新しい治療
潜因性脳梗塞とは
-――潜因性脳梗塞の診断過程と経皮的卵円孔開存閉鎖術の適応評価
Clinical practice of cryptogenic stroke and patent foramen ovale closure
高津 宏樹
1
,
三村 秀毅
1
,
井口 保之
1
Hiroki TAKATSU
1
,
Hidetaka MITSUMURA
1
,
Yasuyuki IGUCHI
1
1東京慈恵会医科大学内科学講座脳神経内科
キーワード:
潜因性脳梗塞
,
卵円孔開存(PFO)
,
経皮的PFO閉鎖術
Keyword:
潜因性脳梗塞
,
卵円孔開存(PFO)
,
経皮的PFO閉鎖術
pp.259-263
発行日 2021年1月23日
Published Date 2021/1/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27604259
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潜因性脳梗塞は,脳動脈硬化に起因する脳梗塞,あるいは心疾患に起因する塞栓症など既知の機序では説明がつかず,原因検索を進めた後にもその発症機序が明らかではない,あるいは原因が特定できない脳梗塞である.卵円孔開存(PFO)が関与する代表的な潜因性脳梗塞は,奇異性脳塞栓症がある.しかし,その診断に必要な右心系血栓の検出率が低いことから,PFOの関与が疑わしい(奇異性脳塞栓症の確定診断が困難な)潜因性脳梗塞に対しては一般的に抗血小板薬が使用されていた.2019年12月より保険収載されたPFO閉鎖機器であるAMPLATZERTMPFO閉鎖栓を用いた経皮的PFO閉鎖術は,潜因性脳梗塞の既往があり,PFOの存在が脳梗塞の発症に関与していると判断された患者の脳梗塞再発予防を目的としている.循環器担当医と脳卒中担当医が協力し経皮的PFO閉鎖術の適否を判断することが重要である.
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