Japanese
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特集 ウイルスを創る,ウイルスを視る
化学合成したペプチドから人工ウイルスカプシドを創る
Creation of artificial viral capsids from chemically synthesized peptides
松浦 和則
1
Kazunori MATSUURA
1
1鳥取大学学術研究院工学系部門応用化学講座
キーワード:
合成ペプチド
,
自己集合
,
人工ウイルスカプシド
,
化学修飾
,
エンベロープ
Keyword:
合成ペプチド
,
自己集合
,
人工ウイルスカプシド
,
化学修飾
,
エンベロープ
pp.916-921
発行日 2022年2月26日
Published Date 2022/2/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28009916
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最近,タンパク質やペプチドの自己集合をデザインすることで,人工的に球状ウイルスカプシドのようなナノカプセルを構築することが可能となっている.筆者らは2010年に世界に先がけて,トマトブッシースタントウイルス(TBSV)の内部骨格形成に関わる24残基のβ-Annulusペプチドを化学合成し,その自己集合により30~50nmの中空の人工ウイルスカプシドを創製した.人工ウイルスカプシドの形成挙動は,蛍光相関分光(FCS)法により定量的に解析することができる.β-AnnulusペプチドのN末端はカプシド内部に,C末端は外部表面に配向していることから,それぞれを化学修飾することにより核酸,タンパク質,ナノ粒子などを内包あるいは表面修飾した人工ウイルスカプシドを創製できる.さらに,表面を脂質二分子膜で覆ったエンベロープ型人工ウイルスカプシドも創製でき,無細胞発現系により膜タンパク質を搭載することにも成功している.
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