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第5土曜特集 mRNAワクチンやゲノム編集で注目が集まる遺伝子治療
実用化に向けた遺伝子治療技術
RNAウイルスベクターの開発
Development of RNA virus vectors
小瀧 将裕
1
,
金井 祐太
1
,
小林 剛
1
Tomohiro KOTAKI
1
,
Yuta KANAI
1
,
Takeshi KOBAYASHI
1
1大阪大学微生物病研究所難治感染症対策研究センターウイルス免疫分野
キーワード:
RNAウイルス
,
ウイルスベクター
,
ワクチン
Keyword:
RNAウイルス
,
ウイルスベクター
,
ワクチン
pp.379-385
発行日 2023年4月29日
Published Date 2023/4/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28505379
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ウイルスベクターは高効率に培養細胞や生体内の標的細胞に遺伝子導入が可能であり,トランスフェクション試薬や脂質膜を利用した核酸の細胞導入法と比較し,さまざまな利点がある.ウイルスベクターは使用するウイルスの性質により標的細胞や標的臓器が異なるだけでなく,発現が可能な外来遺伝子のサイズ,発現強度,持続性が異なるため,用途に合わせて選択することが理想である.RNAをゲノムとして持つRNAウイルスではレトロウイルスが基礎研究および臨床研究で広く使われているが,実際にはさまざまなRNAウイルスがウイルスベクターとして開発研究が進められており,既存のウイルスベクターでは対応できない細胞や臓器を標的とした遺伝子治療が可能になると考えられている.本稿では近年,ウイルスベクターとしての開発が進んでいる二本鎖RNAウイルス(哺乳類レオウイルス,ロタウイルス)を中心に,さまざまなRNAウイルスベクターについて紹介する.
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