内科医が診る関節リウマチ State of Art
生物学的製剤による副作用 予防とリスクマネージメント 結核
高橋 裕樹
1
,
鈴木 知佐子
,
山本 元久
,
篠村 恭久
1札幌医科大学 医学部第一内科
キーワード:
Interferon Gamma
,
Isoniazid
,
関節リウマチ
,
結核
,
診断用試薬キット
,
生物学的製剤
,
保菌者状態
,
リスクマネジメント
,
Etanercept
,
Infliximab
,
腫瘍壊死因子アルファ
Keyword:
Etanercept
,
Infliximab
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Carrier State
,
Biological Products
,
Interferon-gamma
,
Isoniazid
,
Risk Management
,
Reagent Kits, Diagnostic
,
Tuberculosis
,
Tumor Necrosis Factor-alpha
pp.705-710
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009143430
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結核菌を抑え込む重要なサイトカインはTNFαとインターフェロンγ(IFNγ)であり、TNF阻害薬などの生物学的製剤使用時にみられる結核のほとんどは、潜在性結核感染(LTBI)からの再活性化である。TNF阻害薬使用に伴う関節リウマチ(RA)患者の結核発症の相対リスクは、一般集団に比較し1.5~90.1倍、TNF阻害薬未使用のRA患者に比較し4.0~19.9倍と、きわめて高い。LTBI合併のRA患者に生物学的製剤を使用する場合、治療開始3週間前よりisoniazid(INH)内服を6~9ヵ月行うことで、結核発症の抑制が証明されている。LTBIのスクリーニングにはツベルクリン反応、病歴聴取、胸部X線に加え、IFNγアッセイも利用し、総合的に判断する。
©Nankodo Co., Ltd., 2009