リウマチ治療の新時代 治療薬を使いこなす
関節リウマチ治療薬の副作用への対処法 結核の診断、治療および予防
渡辺 彰
1
1東北大学加齢医学研究所 呼吸器腫瘍研究分野
キーワード:
関節リウマチ
,
結核
,
肺炎-ニューモシスチス
,
肺炎-細菌性
,
Infliximab
,
肺炎-間質性
Keyword:
Infliximab
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Pneumonia, Pneumocystis
,
Tuberculosis
,
Lung Diseases, Interstitial
,
Pneumonia, Bacterial
pp.642-645
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007195250
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関節リウマチの治療効果は抗TNF-α薬の導入で飛躍的に向上したが、他方、結核を含む感染症などの副作用も増加した。infliximabの市販後全例調査では5,000例から14例の結核が発現したが、予防対応指針策定前の2,000例から11例(0.55%)、策定後の3,000例から3例(0.1%)の発症であり、予防対応によって発症を1/5以下に減らせることが可能である。予防対応の骨子は、本薬剤投与前に詳細な結核スクリーニングを行い、結核既感染が疑われる例にisoniazid(INH)の予防投与を行ってから本薬剤を投与するものである。上記の5,000例中、結核を発症した全例で予防投与が行われてはおらず、逆に予防投与施行例からの結核発症は1例もなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007