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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
方法論の近年の発展
臨床試験における多重性の調整
Multiplicity adjustment in clinical trials
吉村 健一
1
Kenichi YOSHIMURA
1
1広島大学学術院/病院未来医療センター 生物統計部
キーワード:
臨床試験
,
統計的多重性
,
多重性調整
,
αエラー
Keyword:
臨床試験
,
統計的多重性
,
多重性調整
,
αエラー
pp.486-490
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005486
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仮説検定の本質的な性質から生じる問題として,多重性という問題が存在する.臨床試験における多重性の典型例としては,表1に示したような多重エンドポイント,中間解析,サブグループ解析をあげることができる.それぞれに適切な統計手法を用いれば多重性を調整できる.多重性の調整法について大分類したものを表2に示した.多重性の調整法について大分類すると,検証的解析と探索的解析を区別する,α分割法,階層法をあげることができる.臨床試験の目的に応じて,適切な調整法を選択すべきである.とくに近年よく用いられるようになってきた階層法については,α分割法に比べて必要症例数が少なくなるという点のみに注目するのは適切でない.階層法では実際に得ることができる結論のパターンが限定されてしまうため,臨床試験の目的を十分に整理してから使うべきである.
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