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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
臨床試験の方法
サブグループ解析とその限界
Subgroup analysis and its limitation
吉村 健一
1
Kenichi YOSHIMURA
1
1広島大学学術院/病院未来医療センター 生物統計部
キーワード:
サブグループ解析
,
臨床試験
,
αエラー
,
検出力
Keyword:
サブグループ解析
,
臨床試験
,
αエラー
,
検出力
pp.385-389
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005385
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サブグループ解析は,全体集団をいくつかのサブグループに分割し,各サブグループで治療効果を評価することで実施される.一般に,同一の介入であったとしても,患者サブグループが異なれば異なる反応を示す可能性や,同一の患者であっても異なる反応を示す可能性が十分考えられる.人口統計学的要因,環境的要因,ゲノム的要因,疾患要因,併存疾患・併用療法の状況などで説明できる状況は医学一般に広く受け入れられる考え方である.一方,サブグループ解析は真剣に結果を解釈しようとするほど大きなリスクが生じることが知られている.サブグループ解析の問題点は大きく分けて2つあり,検出力の低下とαエラーの増加である.統計学的にも,臨床試験におけるサブグループ解析については,いまだチャレンジなトピックであり,残念ながら,適切な方法の適切な標準化には現状至ってない.臨床的に適切な解釈を行ううえで,その限界などについて十分に留意することが求められる.
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