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第5土曜特集 現代の臨床研究のための統計学2022――洗練された研究デザインと統計解析を理解してみよう
臨床試験の方法
これだけは知っておきたい臨床試験における中間解析の基礎
The basic knowledges of interim analyses in clinical trials that we wish to know
小山 暢之
1
Nobuyuki KOYAMA
1
1第一三共株式会社DX推進本部データインテリジェンス部生物統計グループ
キーワード:
中間解析
,
独立データモニタリング委員会
,
α消費関数法
,
確率打ち切り法
Keyword:
中間解析
,
独立データモニタリング委員会
,
α消費関数法
,
確率打ち切り法
pp.376-384
発行日 2022年1月29日
Published Date 2022/1/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28005376
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中間解析とは,“試験が完了する前に行われる有効性または安全性に関する試験治療群間の比較を意図した解析” である1).中間解析を実施することで,試験途中で試験の継続可否や試験計画の変更が検討できるようになることから,数多くの臨床試験で中間解析が実施されている.しかし,臨床試験で中間解析を実施するためには,単に集めたデータを適宜解析すればよいというわけではない.試験の関係者が中間解析結果を知ってしまうと,試験にさまざまなバイアスを混入させる可能性があるため,試験関係者に中間解析結果を開示しないようにするための適切な試験実施体制を整えることが重要である.統計的にも,中間解析で通常の仮説検定を繰り返し行えば,いわゆる多重性の問題が生じてαエラー(第一種の過誤)の確率は名義的な有意水準よりも増大する.また,試験を早期に中止した場合には,その時点で算出した治療効果などの推定値にはバイアスが入ることもわかっている.このため,中間解析を実施する場合は,αエラーの確率の調整や治療効果の推定値のバイアス修正など,中間解析に対応した統計解析手法を適用する必要がある.
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