Japanese
English
第1土曜特集 小児・AYAがんの最前線
小児・AYAがんの遺伝性素因と二次がん
Inherited genetic variation of pediatric cancer and secondary malignant neoplasm
加藤 元博
1
Motohiro KATO
1
1東京大学医学部附属病院小児科
キーワード:
小児がん
,
遺伝性腫瘍
,
がん素因
,
ゲノム医療
Keyword:
小児がん
,
遺伝性腫瘍
,
がん素因
,
ゲノム医療
pp.94-97
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2800194
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
小児・AYA(思春期・若年成人)世代に発症するがんのうち一部を占める希少な病型として遺伝性腫瘍があることは以前から知られていた.さらに近年のゲノム解析研究の進歩により,家族歴や併発する症状がない孤発例の小児がんの患者でも,がんの好発素因(cancer predisposition)となるような病的バリアントが5~10%にみられることが明らかになった.また,このような遺伝性素因に関連した発症はAYA世代のがんでもみられる.従来の想定よりも高い頻度と広い範囲で遺伝性素因が関与していることは,ゲノム医療が実装された現在,ゲノムプロファイリング検査による二次的所見として同定されうることから,小児・AYAがんの診療に携わる医療者にとっても重要な知識となっている.さらに,このような遺伝性素因は二次がんの発症にも関与することから,個々の患者の遺伝学的特性に応じた治療選択が必要である.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.