増大号 超実践! 病理で迫るがんゲノム医療—検査から治療まで
1章 知っておくべき基本的なこと—がん遺伝子検査の特徴と,がんゲノム医療の流れ
がんゲノム医療の流れ
二次的所見への対応
浦川 優作
1
1藤田医科大学医学部先端ゲノム医療科
キーワード:
二次的所見
,
SF
,
germline findings
,
遺伝学的検査
,
遺伝性腫瘍
,
遺伝カウンセリング
Keyword:
二次的所見
,
SF
,
germline findings
,
遺伝学的検査
,
遺伝性腫瘍
,
遺伝カウンセリング
pp.1068-1070
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200690101068
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はじめに
がんゲノム医療の進歩に伴い,がんの個別化治療を目的として治療標的となる遺伝子変異を見つけるだけでなく,生殖細胞系列の病的バリアントも医療者や患者双方にとって重要な情報として扱われるようになってきた.がんゲノム医療の領域では解析対象となっているが,本来の検査目的(一次的所見)ではない所見であり,特に生殖細胞系列で検出された遺伝子変異(以下,病的バリアント)を二次的所見(secondary findings:SF)と呼ぶ.SFは,がんの治療方針や遺伝性腫瘍症候群をはじめとする遺伝性疾患のリスク評価や診断に影響を与える可能性がある.本稿では,SFを適切に理解したうえで,がんゲノム医療においてSFがどのように扱われるかを解説する.

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