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特集 敗血症診療を知る――J-SSCG2020のポイント
初期蘇生・循環作動薬
Initial resuscitation/inotropes
垣花 泰之
1
Yasuyuki KAKIHANA
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科救急・集中治療医学分野
キーワード:
初期蘇生輸液
,
血管収縮薬
,
強心薬
,
心機能評価
Keyword:
初期蘇生輸液
,
血管収縮薬
,
強心薬
,
心機能評価
pp.1165-1168
発行日 2021年12月25日
Published Date 2021/12/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279121165
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敗血症/敗血症性ショックは,血管拡張や血管透過性亢進に伴う相対的な循環血液量減少だけではなく,心機能低下が混在することもある.そのため,循環管理のポイントは病態を正しく把握したうえでより効果的な治療戦略を選択することである.「日本版敗血症診療ガイドライン2020(J-SSCG2020)」の “初期蘇生・循環作動薬” では,心エコー検査を用いて循環血液量や心機能評価を行うことを推奨している.循環血液量減少に対しては初期蘇生輸液を行い,血管拡張を伴う場合には血管収縮薬の投与が推奨されるが,過剰輸液を避けるため,早期の血管収縮薬の投与も推奨されるようになった.一方,心機能低下に対しては強心薬が必要であり,頻脈性不整脈に対してはβ1受容体遮断薬の投与が推奨されている.このように,敗血症/敗血症性ショックの対応に関してはJ-SSCG2020が提示している “初期蘇生・循環作動薬” 診療フローを積極的に活用し,適切かつ迅速な対応をすべきである.
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