Japanese
English
特集 基礎と臨床の両面から挑む血栓止血学
血栓性疾患の病理
Histopathology of thrombotic diseases
魏 峻洸
1
,
山下 篤
1
,
浅田 祐士郎
1
Toshihiro GI
1
,
Atsushi YAMASHITA
1
,
Yujiro ASADA
1
1宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野
キーワード:
アテローム血栓症
,
プラーク破綻
,
静脈血栓症
,
癌関連血栓症
Keyword:
アテローム血栓症
,
プラーク破綻
,
静脈血栓症
,
癌関連血栓症
pp.1084-1089
発行日 2021年12月11日
Published Date 2021/12/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279111084
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血栓形成においては,①血管壁の変化,②血液成分の変化,③血流の変化,の3つが重要な因子(Virchow’s triad)と考えられており,血栓形成の基本概念として広く受け入れられている.一般に動脈は血流が速いため,血管壁の変化,とくに動脈硬化巣の存在とその破綻が最も重要で,静脈は血流が緩徐であるため,血流の変化(血流のうっ滞)と血液成分の変化(凝固能の亢進,線溶能の低下)がより重要とされている.しかし,剖検例や動物血栓モデルを用いた病理学的検討の結果,血管壁の形状やプラークの組成,血栓関連因子,血流の状態,局所および全身の血液凝固能など,多くの要素が関わっていることが明らかとなってきている.また血栓の成長,安定化には好中球細胞外トラップ,担癌状態などが複合的に寄与すると考えられる.
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