連載 ユニークな実験動物を用いた医学研究・Vol.4
ウサギ:ヒトの動脈硬化をウサギで再現
山下 篤
1
,
浅田 祐士郎
1
Atsushi YAMASHITA
1
,
Yujiro ASADA
1
1宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野
キーワード:
アテローム血栓
,
ウサギ
,
動脈硬化
,
モデル動物
Keyword:
アテローム血栓
,
ウサギ
,
動脈硬化
,
モデル動物
pp.169-175
発行日 2021年10月9日
Published Date 2021/10/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27902169
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Summary
心血管病の多くは,粥状動脈硬化巣(プラーク)を素地として発症するアテローム血栓症である.アテローム血栓症を予防・治療するにはプラークの発生・形成機序,血栓形成機序の理解が重要である.ウサギは,動脈硬化を誘導できるモデル動物として古くより利用されてきただけでなく,病変の病理所見,脂質代謝や血小板の反応性がヒトと類似しており,動脈硬化モデル動物として重要な役割を果たしている.コレステロール負荷食,ポリエチレンチューブ挿入,バルーンカテーテル傷害による病変誘導に加えて,自然発症動脈硬化モデル(WHHLウサギ)によって,動脈硬化の発生病理や脂質代謝経路,アテローム血栓症の発生機序が解明された.遺伝子導入ウサギ,遺伝子欠損ウサギにより,他の種では評価できない遺伝子を対象に動脈硬化における分子生物学が発展してきた.
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