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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
総論
SARS-CoV-2 Spike L452R変異は,細胞性免疫の逃避と感染性上昇に寄与する
L452R spike mutation of SARS-CoV-2 evades cellular immunity and increase infectivity
山岨 大智
1,2
,
佐藤 佳
2
Daichi YAMASOBA
1,2
,
Kei SATO
2
1神戸大学医学部医学科
2東京大学医科学研究所付属感染症国際研究センター感染制御系システムウイルス学分野
キーワード:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
細胞性免疫
Keyword:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
細胞性免疫
pp.965-970
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27910965
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2019年末の出現から現在に至るまで,さまざまな新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異体が全世界で出現しており,これらの変異がウイルスの感染性や免疫抵抗性,異種間伝播に影響する可能性が指摘されている.これまで,SARS-CoV-2の変異が液性免疫に与える影響は研究されてきたものの,ウイルスの変異が,ヒト白血球抗原(HLA)に拘束された細胞性免疫にどのように影響するのか明らかではなかった.今回,筆者らは自然発生したSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の受容体結合モチーフの2カ所の変異であるL452RとY453Fが,HLA-A24拘束性細胞性免疫への逃避を可能にしていること,さらにウイルスの感染性の上昇に寄与していることを明らかにした.
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