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Review Article
上気道粘膜免疫および粘膜ワクチンの現状と展望
Current status and prospects of upper respiratory tract mucosal immunity and mucosal vaccine
黒野 祐一
1,2
Yuichi Kurono
1,2
1鹿児島大学
2前原総合医療病院耳鼻咽喉科
キーワード:
粘膜免疫
,
分泌型IgA
,
経鼻ワクチン
,
ホスホリルコリン
,
粘膜アジュバント
Keyword:
粘膜免疫
,
分泌型IgA
,
経鼻ワクチン
,
ホスホリルコリン
,
粘膜アジュバント
pp.74-83
発行日 2024年1月20日
Published Date 2024/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411203568
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Summary
●粘膜免疫の主役となる分泌型IgAは外分泌液中に含まれ,微生物の生体内への侵入を阻止する。
●粘膜免疫は誘導組織と実効組織,そして両者を結ぶ共通粘膜免疫システムからなり,上気道では鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)や扁桃が誘導組織,粘膜や分泌腺が実効組織として働く。
●上気道の粘膜免疫応答を誘導するにはワクチンの経鼻投与が最も優れ,経鼻インフルエンザワクチン(FluMist®)がすでに市販されている。
●ホスホリルコリンはすべての細菌の細胞壁構成成分であり,広域スペクトラムを有する細菌感染予防経鼻ワクチンの候補となりうる。
●ホスホリルコリン誘導体は粘膜アジュバントとして応用が可能である。
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