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特集 COVID-19と循環器疾患
COVID-19と心筋梗塞を両立するための地域体制
-――神奈川県の取り組み
Regional system to balance COVID-19 and acute myocardial infarction in Kanagawa
阿南 英明
1
Hideaki ANAN
1
1神奈川県庁理事(医療危機対策担当),藤沢市民病院副院長
キーワード:
災害派遣医療チーム(DMAT)
,
集中治療室(ICU)
,
PCR(polymerase chain reaction)
,
神奈川モデル
Keyword:
災害派遣医療チーム(DMAT)
,
集中治療室(ICU)
,
PCR(polymerase chain reaction)
,
神奈川モデル
pp.852-855
発行日 2021年11月27日
Published Date 2021/11/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27909852
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2020年2月に横浜港にきた大型クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号で発生した多数の患者対応において,一般の救急診療に一定の制約を受けざるを得ないなど横浜市内,神奈川県内の救急医療崩壊の危機に瀕する経験をした.その経験から患者の重症度を3つのグループに分け,医療機関を “役割分担と機能集約” の基本理念に基づいて対応する “神奈川モデル” を構築した.神奈川県では多くの救急医療機関を “重点医療機関協力病院” として指定するとともに,救命救急センターの多くを集中治療室(ICU)機能などを担う “高度医療機関” と “重点医療機関協力病院” の両方に指定した.新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染していることを前提に迅速に循環器系救急患者を受け入れる仕組みである.しかし,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は無数にある医療対象の一部にすぎない.通常医療とコロナの医療のバランスをはかっていくために,日々のデータ分析を行い,COVID-19と通常医療のどちらに重心を置くのかの判断をしている.情報を全医療機関で共有するとともに,連絡協議会を開催して共同歩調をとっている.
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