特集 老年栄養―高齢者の低栄養,フレイル,サルコペニア
疾患と栄養ケア
集中治療室の栄養障害・栄養ケア
井上 茂亮
1
,
小谷 穣治
1
1神戸大学大学院 医学研究科外科系講座災害・救急医学分野
キーワード:
集中治療
,
集中治療室(ICU)
,
経腸栄養
,
静脈栄養
Keyword:
集中治療
,
集中治療室(ICU)
,
経腸栄養
,
静脈栄養
pp.209-213
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_209
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Summary
▪重症患者の多くは代謝反応や異化が亢進するため,栄養障害に陥りやすい.このため急性期から慢性期までシームレスかつ適切な栄養管理が必要である.
▪栄養評価として,栄養アセスメントツールや病歴,栄養状態,併存疾患,重症度,消化管機能などを総合的に評価する.
▪栄養投与ルートは原則経腸栄養で行い,重症病態に対する治療を開始した後,可及的に24時間以内,遅くとも48時間以内に経腸栄養を開始する.
▪循環動態不安定な患者においては血行動態が安定するまでは経腸栄養の開始を控える.
▪初期1週間に20kcal/時以上の経腸栄養が投与できれば,目標量達成を目的とした静脈栄養を行わない.
▪目標エネルギー必要量は25~30kcal/kg/日の簡易式を用いてもよい.
▪蛋白投与量は1.2~2.0g/(実測体重)kg/日で行う.
▪ICU退室後,退院後の栄養療法としては30~35kcal/kg/日までのエネルギー量と1.5~2.5g/kg/日までの蛋白質が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022