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第1土曜特集 健康危機への備えと対応――パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
災害対応・防災の視点から
災害医療支援活動
Disaster medical support activities
近藤 久禎
1
Hisayoshi KONDO
1
1国立病院機構本部DMAT事務局
キーワード:
災害医療支援
,
災害派遣医療チーム(DMAT)
,
CSCATTT
Keyword:
災害医療支援
,
災害派遣医療チーム(DMAT)
,
CSCATTT
pp.78-82
発行日 2025年4月5日
Published Date 2025/4/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293010078
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医療における災害とは,急激な需給アンバランスの拡大を契機に医療の逼迫,崩壊を招く状態といえる.医療逼迫とは需給アンバランスが拡大した状態であり,医療崩壊とは保健医療福祉体制や施設が混乱し,合理的な判断ができず体制全体が崩壊した状態である.災害医療支援は,まず医療崩壊を防ぐために体制の確立(CSCA)を行い,続いて医療逼迫を防ぐために物資支援,搬送支援,人的支援(TTT)を行う.平時,さまざまな場所にいる人へ,医療・福祉サービスが提供されている.災害が発生すると,保健医療福祉体制・施設が被害を受け,保健医療福祉サービスの提供が逼迫,崩壊する.新規傷病者対応,避難所における健康悪化への予防など,災害により新たに発生した支援ニーズへの直接的な対応が注目されがちであるが,根本的な解決を図るためには,災害により影響を受けた保健医療福祉従事者や体制・施設を支えることにより,すべての患者,要介護者,住民の死亡や悲劇を減らし,できるだけ被災前と同じ生活を守ることが肝要である.

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