Japanese
English
特集 臓器移植――限界と挑戦
超高齢社会における肝移植
Treatment of eldely liver transplants in the super-aged society
原田 昇
1
,
吉住 朋晴
1
,
戸島 剛男
1
Noboru HARADA
1
,
Tomoharu YOSHIZUMI
1
,
Takeo TOSHIMA
1
1九州大学大学院消化器・総合外科
キーワード:
高齢者
,
生体肝移植
,
高齢ドナー
,
超高齢社会
Keyword:
高齢者
,
生体肝移植
,
高齢ドナー
,
超高齢社会
pp.680-683
発行日 2021年11月13日
Published Date 2021/11/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27907680
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
非代償性肝硬変の根本治療として肝移植が考案され,わが国では2018年までの統計によれば,8,909症例の生体肝移植が施行され,非代償性肝硬変に対する標準治療として世界中で広く認知されるようになった.一方で,日本では超高齢社会を迎え,内閣府の高齢社会白書によれば,65歳以上人口は3,589万人となり,総人口に占める割合(高齢化率)も28.4%となった.日本における肝移植において,現在70歳以上のレシピエントに対する脳死肝移植は施行されていないが,生体肝移植では全体のわずか0.3%(2018年までの統計)において肝移植が施行されており,徐々に増加することが予想される.高齢者に対する生体肝移植は十分な術前の評価およびドナーの選択,また左葉グラフトを中心としたドナーリスクを考慮した選択,そして周術期の周到なマネージメントが必要と考えられる.本稿では,超高齢社会における生体肝移植を中心とした成績および展望について述べたい.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.