特集 肝細胞癌の集学的治療
2.肝細胞癌治療の実際(6)肝移植
吉住 朋晴
1
,
戸島 剛男
1
,
伊藤 心二
1
1九州大学大学院消化器・総合外科
キーワード:
肝細胞癌
,
生体肝移植
,
日本基準
,
免疫チェックポイント阻害剤
,
チロシンキナーゼ阻害剤
Keyword:
肝細胞癌
,
生体肝移植
,
日本基準
,
免疫チェックポイント阻害剤
,
チロシンキナーゼ阻害剤
pp.581-588
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000003026
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本邦の肝細胞癌(HCC)に対する肝移植の保険適用(5-5-500基準内あるいはミラノ基準内)は欧米で用いられている基準と比較しても広い基準である.肝細胞癌治療アルゴリズムでは,肝移植はChild-Pugh C症例で同基準内に留まっているものに推奨されている.肝移植後の成績は大変良好であるにもかかわらず,肝予備能が許容されるかぎり,肝切除,焼灼療法,塞栓療法,肝動注,薬物療法などが行われ,肝機能不良となった症例に肝移植が施行される.HCCに対してチロシンキナーゼ阻害剤や免疫チェックポイント阻害剤が使用可能となり,肝移植前のdown stageあるいは移植後再発病変の治療にこれらの薬物療法を使用した報告が見られるようになった.これらの報告とわれわれの経験を概説する.
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