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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
高齢者疾患の包括的管理
高齢者の睡眠を考える
Understanding and dealing with sleep disturbance in the older people
水上 勝義
1
Katsuyoshi MIZUKAMI
1
1筑波大学大学院人間総合科学学術院
キーワード:
高齢者
,
不眠症
,
睡眠衛生指導
,
薬物療法
Keyword:
高齢者
,
不眠症
,
睡眠衛生指導
,
薬物療法
pp.516-519
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905516
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高齢者は若年者と比べて睡眠パターンが変化する.このため加齢による生理的な変化か,対応が必要な不眠症かを判断する必要がある.まずは不眠の原因となりうる身体疾患,心理環境要因,薬剤の影響などを検索し,該当するものがあれば対応する.薬物療法を実施する前に睡眠衛生指導などの非薬物的対応を十分に行うことが大切である.薬物療法が必要と判断されれば,比較的安全な睡眠薬を選択する.また減量や中止の可能性を検討し,漫然と継続使用しないように努める.睡眠薬の種類としては,ベンゾジアゼピン(BZ)受容体作動薬(BZ系,非BZ系),メラトニン受容体作動薬,オレキシン受容体拮抗薬などがあるが,BZ受容体作動薬は認知機能低下リスクや転倒リスクなどがあるため,高齢者にとくに慎重に投与すべき薬剤である.漢方薬も認知症高齢者の不眠の治療選択肢のひとつであるが,低K血症に注意が必要である.
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