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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
高齢者疾患の包括的管理
人生100年時代における共有意思決定支援を取り入れた日本のアドバンス・ケア・プランニングの展開
-――対話による多様性重視の社会にむけたACP実践のための教育強化の必要性
Development of Japanese advanced care planning in the age of 100 years of life
後藤 友子
1
,
三浦 久幸
1
Yuko GOTO
1
,
Hisayuki MIURA
1
1国立研究開発法人国立長寿医療研究センター在宅医療・地域医療連携推進部
キーワード:
人生の最終段階
,
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
,
共有意思決定支援(SDM)
Keyword:
人生の最終段階
,
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
,
共有意思決定支援(SDM)
pp.510-515
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905510
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日本では人生100年時代が実現化しつつあり,人生の最終段階は病因ではなく加齢による老衰の影響が年々増大していることから,暮らしを支える専門職とのアドバンス・ケア・プランニング(ACP)実践が推進されている.2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミックでもACPを進める重要性は広く認識された.しかし,ACPに関するさまざまな誤解が蔓延しており,ACPの正確な知識や技能を学べる機会が限られていることはACPの展開が難しい要因のひとつである.ACPは,現在日本で最も普及している情報提供型意思決定支援ではなく,共有意思決定支援(SDM)という新しい意思決定支援方法によるACP実践がふさわしいが,高齢住民の暮らしに伴走する医療や介護,福祉専門職に対するSDM技能訓練を取り入れた教育展開は行われておらず,ACP実践のための教育を十分に受けられないなかでACPが推進されている状況下にある.今回のパンデミックによりACP推進の重要性を広く認識したことから,今後のACP展開に向けて日本では未整備の戦略的SDM技能訓練の教育展開を進めることが期待される.
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