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第5土曜特集 超高齢社会を支える医学・医療の提案
はじめに
Introduction
荒井 秀典
1
Hidenori ARAI
1
1国立長寿医療研究センター理事長
pp.321-321
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27905321
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- Abstract 文献概要
わが国の高齢化率は28.7%(2020年)となっており,世界一の長寿国である.奇しくも2021年から2030年までの10年間を国連,WHOは “Decade of Healthy Ageing” と設定した.高齢化はグローバルな現象であり,健康寿命の延伸は世界的な願いであるが,世界一の高齢化率を誇るわが国の果たすべき役割はきわめて大きい.今後,さらに進む少子高齢化に対してどのように対応するか,それはわれわれ医学の領域に身を置くものとして,臨床医学,基礎医学,公衆衛生学など医学分野の力を結集して,超高齢社会における諸問題解決に向けた先進的な研究を行うのは当然であるが,同時にわれわれのミッションは,この超高齢社会における諸問題の解決のために法学,社会学,福祉学,工学,経済学など,さまざまな分野と連携をはかることにより,学際的に問題解決を目指すことにある.2020年からわが国においても感染拡大を起こした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は大きな爪痕を世界中に残しているが,そのような混乱のなか,今後20年,30年先を見据えた対策の必要性,そして明らかになりつつある諸問題をいかに学際的に解決していくか,この期待にわれわれは応えなければならない責務がある.
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