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特集 新型データ駆動型サイエンスの起動
はじめに
Introduction
宮野 悟
1
Satoru MIYANO
1
1東京医科歯科大学M&Dデータ科学センター長
pp.831-831
発行日 2021年2月27日
Published Date 2021/2/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27609831
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- Abstract 文献概要
多くの研究者や学生の方々には “データ駆動型サイエンス” という言葉が古色然と感じられると思う.また,人工知能(AI)という言葉も現在は人口に膾炙しているが,日本では潜伏状態の時期もあった.AIの看板が降ろされて “知識工学” といった言葉に塗り替えられた.一方で,医学・生命科学研究は,その歴史においてとてもユニークな状態に入ろうとしている.その第1の要因は大規模・高精度データの出現である.仮説を立てその実証のためにデータをとって証明するという古来からの方法論に加えて,データ駆動型の科学が相対的に重要になってきたことである.これは医学・生命科学の領域に限ったことではない.第2の要因はデータ科学,とくにAI技術応用の登場である.データ科学は,急速増大化・複雑化するデータの “闇” から知識や探索の見通しを照らし出し,アクションへとナビゲートする技術や方法論を研究する学際領域である.人海戦術では不可能なデータ解析を,高精度・高速に実現できるようにしている.そして,ますます重要となっていることが,ELSI(倫理的・法的・社会的課題)という学問を成熟させることである.本特集ではこのメッセージを “新型データ駆動型サイエンス” とよぶ.
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