Japanese
English
TOPICS 臨床検査医学
Lp(a)の臨床的意義アップデート
Update on the clinical significance of Lp(a)
吉田 博
1
Hiroshi YOSHIDA
1
1東京慈恵会医科大学臨床検査医学講座,同大学附属柏病院副院長
pp.294-295
発行日 2021年10月23日
Published Date 2021/10/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27904294
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Lp(a)の概要
リポタンパク(a)〔Lp(a)〕は,冠動脈疾患・脳卒中の独立した危険因子であり,apo(a)のサイズが小さい(クリングルⅣ-2のリピート数が少ない)場合にLp(a)濃度が高く,心血管病リスクも高いことがメタ解析,メンデルランダム化解析やゲノムワイド研究の成績などによって報告され,それを反映する遺伝子の一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNPs)も示されている(図1)1-11).ただし総死亡リスク増大においては,クリングルⅣ-2のリピート数が少ない場合は有意な因子になるが,SNPsの影響は有意でない12).Lp(a)の動脈硬化惹起性要因としては,apo(a)タンパクはプラスミノゲンと相同性が高くプラスミノゲンの作用に干渉して血栓形成を促進すること,冠動脈疾患のリスクに影響する酸化リン脂質を結合しやすいこと,あるいはapo(a)が動脈壁に係留されやすいことなどが提唱されている6,8,13).Lp(a)濃度は家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolaemia:FH)患者で高値であり,高Lp(a)血症がFHの心血管病リスクをさらに高めると考えられる2,8,14,15).
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