増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅲ.血漿蛋白
3.アポ・リポ蛋白
(2)Lp(a)
山下 寿美子
1
,
野間 昭夫
2
1岐阜大学医学部附属病院中央検査部
2岐阜大学医学部臨床検査医学講座
pp.192-194
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901936
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脂質は水に不溶であり,生体内では蛋白と結合してリポ蛋白として溶存している.リポ蛋白(a)〔Lp(a)〕はリポ蛋白の1つである.リポ蛋白の性状を表に示す.Lp(a)の化学的組成はLDLに極めて類似している.図1にLp(a)の構造的模式図を示す.Lp(a)の構造はLDL類似粒子の表面にS-S結合した蛋白成分であるアポ(a)が覆った形と考えられている.アポ(a)は内部に3つのS-S結合を含むアミノ酸構造体であるクリングルと称する構造を多数有している.このクリングルは驚くべきことに線溶系に働くプラスミノゲンの持つ5つのクリングルのうち4番目のものと構造的相同性が高く,アポ(a)ではこのクリングル4を繰り返し,最高37個持つといわれ,この繰り返しの数の違いによってアポ(a)はイソ型を有している.
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