Japanese
English
TOPICS 神経精神医学
重大な他害行為を行った精神障害者の社会復帰
-――医療観察法
Reintegration of mentally disabled persons who have committed serious harmful acts into society
――Medical treatment and supervision act
平林 直次
1
,
竹田 康二
1
Naotsugu HIRABAYASHI
1
,
Kouji TAKEDA
1
1国立精神・神経医療研究センター病院
pp.293-293
発行日 2021年10月23日
Published Date 2021/10/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27904293
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医療観察法制度の概要
わが国では,刑事事件を起こした精神障害者に適切な医療を提供し社会復帰を促進することを目的として,2015年に医療観察法が施行された.医療観察法の正式名称は「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」であり,心神喪失または心神耗弱の状態で重大な他害行為を行った精神障害者を対象とする.同法の対象となった者は“対象者”とよばれ,重大な他害行為とは,殺人,傷害,強盗,放火,強制性交等,強制わいせつを指す.医療観察法では,地方裁判所に設置された合議体(裁判官+精神科医である精神保健審判員)による処遇決定,手厚い専門的医療の提供(指定入院医療機関,指定通院医療機関),保護観察所の社会復帰調整官による精神保健観察が行われる1).法施行当初から手厚い専門的医療による社会復帰の促進や,一般精神医療の向上が期待された.医療観察法施行から15年がすぎた現在において,対象者の社会復帰はどの程度進んだのか検討してみたい.
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