特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症の検査
5.遺伝子検査
4)Lp(a)
一瀬 白帝
1
Akitada ICHINOSE
1
1山形大学医学部分子病態学
pp.209-212
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903129
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はじめに
アポリポ蛋白(a)[アポ(a)]は,リポ蛋白(a)[Lp(a)]に含まれる高分子蛋白質で,血栓溶解反応の主役を演じるプラスミノゲンと相同性がある(図1)1).Lp(a)は,生理的機能が不明なことをはじめ多くの謎に満ちたリポ蛋白質であるが2),近年,動脈硬化症の独立した危険因子として注目されるようになった.高リポ蛋白(a)[Lp(a)]血症とは,遺伝的に規定された血漿中のLp(a)濃度が25~30mg/dlを超える状態である.他の原因の高脂血症(高リポ蛋白血症)と同様,単に血漿中のLp(a)濃度が高いだけでは何ら臨床症状を示さないが,次第に動脈硬化を進展させ,比較的若年であるにもかかわらず心筋梗塞や脳梗塞を発症させる点で臨床的に重要である.
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