特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症の検査
3.線溶系の検査
9)Lp(a)
川合 眞一
1
,
淺沼 ゆう
1
,
鏑木 淳一
2
Shin-ichi KAWAI
1
,
Yu-u ASANUMA
1
,
Junichi KABURAKI
2
1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター
2東京電力病院内科
pp.173-175
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903117
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はじめに
Lp(a)[リポ蛋白(a),lipoprotein(a);LP(a)]は1963年にBerg1)により報告されたリポ蛋白である.当初は対象によって検出される例とされない例があるとされてきたが,より感度の高い測定法の開発によりほとんどの例に検出されることが明らかとなった.
このLp(a)は動脈硬化の独立した危険因子として注目されている2).すなわち,血清Lp(a)濃度が高いと心筋梗塞などの虚血性心疾患や脳血栓症などの動脈硬化病変の発症率が高いことが疫学的に示されてきたが,この間,Lp(a)が動脈硬化の発症に直接関与するか否かに関する証拠は明らかでなかった.1987年,McLeanら3)によりLp(a)を構成するアポリポ蛋白(a)[アポ(a)]の構造がプラスミノゲンと極めて類似していることが明らかにされたことにより,Lp(a)と線溶系との関係がにわかに脚光を浴びることになった.そこで本稿では,線溶系との関連を中心として,Lp(a)について概説したい.
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