Japanese
English
TOPICS 細胞生物学
狙ったオルガネラ膜でのリン脂質の蛍光ラベル化と動態追跡
Organelle membrane-selective labeling of phospholipids for dynamic imaging
土谷 正樹
1,2
,
浜地 格
1,3
Masaki TSUCHIYA
1,2
,
Itaru HAMACHI
1,3
1京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻
2国立研究開発法人科学技術振興機構さきがけ
3国立研究開発法人科学技術振興機構ERATO
pp.980-981
発行日 2021年9月11日
Published Date 2021/9/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27811980
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ホスファチジルコリン(PC)の特徴と役割
哺乳動物において最も豊富なリン脂質であるホスファチジルコリン(phosphatidylcholine:PC)は活発に動きながら局所に集まることで,細胞の輪郭やオルガネラ(細胞内小器官)などの膜構造物の主成分となる1).PCは細胞内に吸収されたコリンを前駆体として小胞体およびゴルジ体で合成された後,膜小胞として別のオルガネラへ輸送されるか,脂質結合タンパク質により別の膜へ運ばれる2,3).PCが細胞膜やミトコンドリア膜などのさまざまなオルガネラへと供給され,細胞機能が正常に維持される.実際,膜中におけるPCの量的変化は,膜の物性や機能に影響し,イオン輸送を担う膜タンパク質の活性を変えることが知られている2).
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