今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
発症機序
細胞膜リン脂質のメチル化反応
牧野 荘平
1
Sohei Makino
1
1獨協医科大学・アレルギー内科
pp.588-590
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218977
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
細胞膜リン脂質のメチル化反応
化学伝達物質遊離—β受容体の耐性発現—好中球遊走—フォスフォリパーゼ活性化
気管支喘息は,過敏性をもった気道に,免疫学的・非免疫学的な種々の刺激が加わり,気道平滑筋攣縮,粘膜浮腫,分泌亢進などが起きて気道閉塞が惹起される.これらの外部の刺激は種々の経路を通り,種々の段階で奏効細胞に作用して症状が出現する.細胞膜は主に蛋白質と脂質で構成され,そのうえに,その細胞に特異的な受容体が存在する.受容体にリガンドが結合すると受容体の近傍の細胞膜になんらかの物理的,化学的変化を生じ,それが引き金となって一連の生化学的反応が導かれ,やがて細胞質側にcyclic AMPなどの二次的メッセンジャーが合成される.このように,リガンドのもたらした情報が細胞膜を通って伝達され,標的細胞特有の作用が出現する.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.