Japanese
English
特集 不妊治療の現状と課題
子宮内フローラと不妊症
Recent topics on infertility and intrauterine microbiota
赤枝 俊
1
,
廣田 泰
1
Shun AKAEDA
1
,
Yasushi HIROTA
1
1東京大学大学院医学系研究科産婦人科学講座
キーワード:
子宮内フローラ
,
着床
,
妊娠
Keyword:
子宮内フローラ
,
着床
,
妊娠
pp.679-683
発行日 2021年8月21日
Published Date 2021/8/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27807679
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
近年,身体のさまざまな部位での常在細菌叢の働きが注目されている.子宮においても細菌叢の存在が長らく議論されてきたが,次世代シーケンサー(NGS解析)などの技術から子宮内常在細菌叢(子宮内フローラ)の存在が明らかになってきた.これまでの多くの報告から,腟内などの下部の女性生殖器はLactobacillusが常在細菌叢として成立していると考えられている.子宮内フローラに関してはまだ報告例は多くないが,海外と日本のいくつかの報告からはLactobacillus属が優位な状態となることが着床・妊娠維持に有益であると考えられる.しかし,以前としてどのような菌種の子宮内フローラが良好であり,どのような子宮内フローラが病的であるかなどの子宮内フローラの定義や治療介入の方法などは確立しておらず,研究課題は多い.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.