特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(1)婦人科編
婦人科 潜在性甲状腺機能低下症がどうして不妊症や流産の原因になるの?
荒田 尚子
1
1国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター母性内科
キーワード:
Thyrotropin
,
Thyroxine
,
甲状腺機能低下症
,
胎盤形成
,
着床
,
不妊症-女性
,
流産
Keyword:
Abortion, Spontaneous
,
Infertility, Female
,
Hypothyroidism
,
Thyrotropin
,
Thyroxine
,
Placentation
,
Embryo Implantation
pp.1088-1093
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022353390
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不妊診療において、甲状腺関連検査の異常値の頻度は高い。軽度の甲状腺機能不全が不妊や流産のリスクになることは病態学的にも予想できるが、潜在性甲状腺機能低下症へのレボチロキシン治療の効果に関する臨床的なエビデンスは確定的なものではない。また、生殖補助医療で行われる卵巣刺激によって甲状腺機能低下が誘発される可能性があることから、甲状腺機能と甲状腺自己抗体のスクリーニングを行い、異常の場合には細やかに管理する必要がある。
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