特集 内膜を極めるⅠ―内膜の機能と着床をめぐる最近の話題―
6.子宮内フローラと妊娠
京野 廣一
1
,
橋本 朋子
1
K. Kyono
1
,
T. Hashimoto
1
1京野アートクリニック高輪
pp.1063-1068
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001419
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凍結融解胚盤胞移植時の非侵襲的な検査結果は,着床時の子宮内フローラと妊娠・出産との関係を最も反映していると考えられる。これまでに,ラクトバチルス菌優位の場合に妊娠率が高いとする報告が多いが,移植時のラクトバチルス菌が0%の場合でも妊娠継続する症例が報告されている。また,月経周期,性行為,生殖補助医療(ART)の手技などでフローラは変動することから,食生活や生活習慣,口腔・腸内細菌と腟環境との関係,検査時期,診断基準や治療方法など詳細な検討が必要である。現在,次世代シーケンサー(NGS)による慢性子宮内膜炎の診断に対する抗菌薬投与が多くなっているが,本来の免疫力を強化し,耐性菌を考慮した最適化が望まれる。
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