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第1土曜特集 構造生命科学による創薬への挑戦
タンパク質工学から創薬へ
タンパク質の化学修飾
-――基礎研究と抗体医薬品開発への展開
Modifications of proteins
――Fundamental study and its conception to develop the biotherapeutic antibodies
植田 正
1
Tadashi UEDA
1
1九州大学大学院薬学研究院蛋白質創薬学分野
キーワード:
アミノ酸残基のpKa
,
抗体薬物複合体(ADCs)
,
化学修飾
Keyword:
アミノ酸残基のpKa
,
抗体薬物複合体(ADCs)
,
化学修飾
pp.596-601
発行日 2021年8月7日
Published Date 2021/8/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27806596
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抗体薬物複合体(ADCs)は,抗体医薬品単独投与に比べより抗がん効果を発揮する医薬品であり,次世代医薬品の一角を占めるようになっている.ADCsは,生理活性な抗体(親抗体)にリンカーを介して抗がん剤などを連結したものである.初期に市販されたADCsは親抗体の複数部位に抗がん剤(一般に疎水性が高い)を導入しており,親抗体よりは薬理作用は高いが,薬物動態など改善の余地があった.現在まで次々に新しいADCsが開発されている.球状タンパク質(抗体も含む)の化学修飾は,タンパク質の構造と機能の研究において古くから用いられていた手法である.そこでまず,球状タンパク質の化学修飾の基礎研究を紹介しながら,タンパク質化学修飾において留意すべき基礎的な事項に触れる.その後,初期のADCsの開発から,多様なアプローチにより開発されているADCs創製の実際について記述する.
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