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第5土曜特集 生活習慣病の克服に向けたゲノム医療――ゲノム医科学の進展と精密医療の実現
各論
【代謝内分泌疾患】
脂質異常症におけるゲノム医療実践
Genome medicine in dyslipidemias
多田 隼人
1
Hayato TADA
1
1金沢大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
家族性高コレステロール血症(FH)
,
シトステロール血症
,
ゲノム医学
,
遺伝学的検査
,
脂質異常症
Keyword:
家族性高コレステロール血症(FH)
,
シトステロール血症
,
ゲノム医学
,
遺伝学的検査
,
脂質異常症
pp.383-389
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27805383
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まず重要な点は,脂質異常症は遺伝しうる形質であるということであり,ゲノム医療が最も馴染みやすい分野のひとつである.脂質異常症領域では現時点で6疾患の指定難病を含め,多くの遺伝性疾患が存在する.家族性高コレステロール血症(FH)が高頻度に存在することなどからも,本領域におけるゲノム医学の発展は重要な要素となる.類似疾患を含んだいわゆるパネル解析により,確定診断のみならず鑑別診断により適切な医療が提供されうる環境が整いつつある.さらに,これまでに蓄積した分子レベルでの病態解析からは,まったく新たな視座から有効性も安全性も高い,興味深い創薬が生まれているのもこの分野の特徴である.脂質異常症の合併症としてきわめて重要な動脈硬化性疾患の予防・治療という視点から,この分野における近代ゲノム医学の現状をできるだけ臨床的な観点から解説したい.
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