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特集 ビッグデータ時代のゲノム医学
Ⅵ.胎児期・周産期疾患のゲノム医学
胎児・周産期疾患のゲノム医学
Genomic medicine of fetus and pregnancy
澤井 英明
1
Sawai Hideaki
1
1兵庫医科大学病院遺伝子医療部
キーワード:
胎児
,
周産期
,
ゲノム医学
,
NIPT
,
遺伝学的検査
Keyword:
胎児
,
周産期
,
ゲノム医学
,
NIPT
,
遺伝学的検査
pp.164-168
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201147
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ここ数年の胎児の出生前診断の大きな変化は,“超音波検査”と“母体血中細胞フリー胎児DNAを用いた新しい無侵襲的出生前遺伝学的検査(non-invasive prenatal testing;NIPT)”によりもたらされた。妊娠10-13週ごろに実施される超音波検査では,胎児の頸部浮腫(nuchal translucency;NT),静脈管血流量,三尖弁逆流,鼻骨低形成などを調べることで,胎児が21トリソミーや他の染色体異数性に罹患しているリスクを調べることができる。また,同様の目的では,超音波検査と母体血清マーカー検査(inhibin-Aとpregnancy associated plasma protein;PAPP)を組み合わせた複合検査(combined test)も実施されている。超音波検査は特定の妊娠週数に限らず実施されていることから,偶発的に見つかる先天性の胎児異常には,単一遺伝子疾患のこともあるが,超音波検査のみでは確定診断は困難である。そのような場合には遺伝学的検査が必要になる。
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