Japanese
English
TOPICS 細胞生物学
筋ジストロフィー関連心筋症でみられるゴルジ異常と微小管過重合
Abnormal structure of Golgi-microtubule network in muscular dystrophy-associated heart failure
片野坂 友紀
1
Yuki KATANOSAKA
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域システム生理学
pp.231-232
発行日 2021年7月17日
Published Date 2021/7/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27803231
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DGpathyと福山型筋ジストロフィー関連心筋症
筋ジストロフィーとは,骨格筋細胞の壊死を主病変とする遺伝性疾患の総称である.主な病状は,運動機能の低下であるが,拘縮・変形,呼吸機能障害,心筋障害,嚥下機能障害などさまざまな機能障害や合併症を伴う.なかでも心筋症は主要な死因となる.近年,筋形質膜に存在するジストログリカン複合体(Dystrophin-glycoprotein complex)1)の構成成分であるα-ジストログリカン(α-dystroglycan:α-DG)2)の糖鎖修飾が不十分であると,基底膜との連絡が低下して筋ジストロフィー症が発症することが明らかとなり,DGpathyと名づけられている3).日本で多い福山型筋ジストロフィー症は,糖鎖修飾酵素フクチン(fukutin:FKTN)の遺伝子変異よりα-DGの糖鎖修飾不全を招きDGpathyを発症する4,5).筆者らは,心筋細胞特異的にフクチン遺伝子をノックアウト(KO)したマウスを作製し,α-DG糖鎖修飾不全が心筋細胞壊死を生じる分子機構の一端を明らかにしたので紹介する6).
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