Japanese
English
特集 災害メンタルヘルス
災害時の心理的応急処置(PFA)と “誰一人取り残さない” こと
Psychological first aid and leaving no one behind in emergency settings
井筒 節
1
,
堤 敦朗
2
Takashi IZUTSU
1
,
Atsuro TSUTSUMI
2
1東京大学総合文化研究科・教養学部教養教育高度化機構
2金沢大学人間社会研究域
キーワード:
国連
,
持続可能な開発目標
,
人権に基づくアプローチ
,
心理的応急処置(PFA)
Keyword:
国連
,
持続可能な開発目標
,
人権に基づくアプローチ
,
心理的応急処置(PFA)
pp.159-163
発行日 2021年7月10日
Published Date 2021/7/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27802159
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災害時には,精神保健専門家による支援とともに多層的な精神保健・心理社会的支援が必要となる.なかでも,誰もが取り組める手法として世界保健機関(WHO)などが推奨しているのが心理的応急処置(PFA)である.PFAは,深刻な危機的出来事に見舞われた人に対して行う,人道的,支持的,かつ実際的な支援であり,被災者の尊厳,文化,能力を尊重しながら支援をするための枠組みといえる.PFAの活動原則は,準備,見る,聞く,つなぐことを通して,害のない支援を行うことである.そのため,人々の気持ちを落ち着かせるための手法などとともに,すべきこと・してはならないことを明記し,支援者と被災者双方にとって安全なやり方で,誰かを傷つけることなく支援するための方法を示している.障害者権利条約を中心とする人権ツールも参照しながらPFAを活用し,精神障害や知的障害のある人を含むすべての人の心のウェルビーイングの保護と促進を “誰一人取り残さない” 形で,多セクターに主流化していくことが求められている.
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