Japanese
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第1土曜特集 痛み――慢性痛研究の最近の話題と将来展望
画像診断
脊髄神経の画像診断の進歩
Advances in diagnostic imaging for spinal nerve
江口 和
1
,
大鳥 精司
1
Yawara EGUCHI
1
,
Seiji OHTORI
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
キーワード:
MRI
,
MR neurogaraphy
,
拡散テンソル画像(DTI)
,
T2 mapping
,
脊髄神経
Keyword:
MRI
,
MR neurogaraphy
,
拡散テンソル画像(DTI)
,
T2 mapping
,
脊髄神経
pp.30-37
発行日 2021年7月3日
Published Date 2021/7/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2780130
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従来のMRIでは脊髄を分岐した脊髄神経,腕神経叢,腰神経など外側病変を画像診断することは困難であり,損傷神経の可視化,痛みの定量化など機能評価は不可能であった.近年,MRI装置の高磁場化やパルスシーケンスの改良に伴い,拡散テンソル画像(DTI)をはじめとしたニューロイメージングが発展してきた.脊髄神経のDTIは脳に比べ磁化率の影響を受けやすく,技術的側面により臨床上広く普及した検査とは言い難いが,従来のMRIにない情報が得られ,とくに腰神経にエビデンスが確立されつつある.MR neurography/T2 mapping同時撮像法であるSHINKEI-QuantはT2強調像ベースであり,頸椎においてもDTIに比べ歪みが問題とならず,頸椎神経,腕神経叢の機能診断にも応用が期待できる.DTIやSHINKEI-Quantにより脊髄神経病変の可視化や疼痛という現象を数値として定量化できる可能性があり,神経障害の機能診断などさらなる飛躍が期待される.
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