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第5土曜特集 難治性免疫疾患――病態解明と新規治療戦略
はじめに
Introduction
藤尾 圭志
1
Keishi FUJIO
1
1東京大学大学院医学系研究科内科学専攻アレルギー・リウマチ学
pp.645-645
発行日 2021年5月29日
Published Date 2021/5/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27709645
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- Abstract 文献概要
近年,各種免疫疾患における分子標的薬や,癌における免疫療法の有効性が確立し,免疫応答が関与する疾患とその治療法への関心が高まっている.免疫系は体内を循環している,さまざまな免疫担当細胞の相互作用により成立している.そのため血液検体からある程度の情報が得られ,薬剤の到達も比較的容易という特徴があり,免疫系を標的とする医療は今後もさらなる発展が期待される.しかしながら個々の疾患の病態解明はまだまだ不十分であり,分子標的薬は疾患集団全体を対象としてみた場合には有効だが,一定数の治療不応例が存在するという事実がある.このような難治例の,よりよい治療のためには,病態の理解とそれに応じた治療の選択が必要と考えられる.この目標の実現は遠い道のりに感じられるが,最近の医学の進歩を見ると,病態解明とそれによる疾患の層別化が現実のものとなりつつあることがわかってくる.
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