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先天性心疾患に対するカテーテル治療は,過去30年間で急速に発展してきている.それまではバルーンによる血管/弁拡張治療が主体であったが,30年ほど前に心臓血管のカテーテル閉鎖デバイスが登場したのである.海外で1987年と1990年に登場したRashkind Duct Occluder(動脈管閉鎖デバイス)とClamshell Occlude for ASD(心房中隔欠損閉鎖デバイス)がそれであり,現在使用されている閉鎖デバイスの原型となる画期的なデバイスであった.1997年に登場したAmplatzer® Septal Occluder(心房中隔欠損閉鎖デバイス)によるカテーテル閉鎖術は,その留置手技の容易さと安全性から心房中隔欠損閉鎖の標準的治療となっている.国内では,1990年に「第1回日本Pediatric Interventional Cardiology研究会(JPIC)」(後に学会に変更)が開催され,JPICが,その後の日本の先天性心疾患に対するカテーテル治療を牽引してきたのは言うまでもない.しかし,冠動脈インターベンションなどの後天性心疾患カテーテル治療症例数に比べると,先天性心疾患のカテーテル治療症例数は極端に少ないため,国内にカテーテル閉鎖デバイスが導入されるには時間を要したが,2006年にAmplatzer® Septal Occluder,2008年にAmplatzer® Duct Occluder(動脈管閉鎖デバイス)が国内で臨床使用可能となった.これに際してJPIC主導で,新しい手技・デバイス導入における教育システムが構築,先天性心疾患カテーテル治療のデータベース構築が行われるようになり,有害事象発生時のフィードバック,再教育などが定期的に開催されている.また,心房中隔欠損のカテーテル閉鎖が国内で多数行われるようになり,対象症例の半数は成人であることが判明し,JPICが関連する領域は「Pediatric Interventional Cardiology」のみではなくなった.Amplatzerデバイスの教育システムは,日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)と協力して管理・運営されるようになり,2020年にはJPICは日本先天性心疾患インターベンション学会(Japanese society of Congenital Interventional Cardiology:JCIC)へ名称変更された.Amplatzerデバイスは続々と種類が増えており,2019年にAmplatzer® PFO Occluder(卵円孔閉鎖デバイス)が,2020年にAmplatzer® Piccolo Occluder(未熟児動脈管閉鎖デバイス)が国内で使用可能となっている.
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